特三の海業

第3回

境漁港(鳥取県境港市)

境港市にある境漁港は、鳥取県が管理する特定第三種漁港で、日本一の水揚げのベニズワイガニ、日本有数の水揚げの生のクロマグロのほか、まき網漁業によるマイワシ、サバ、アジなどの水揚げが主となる、日本海側随一の水揚げを誇る漁港です。
また、境港市は「さかなと鬼太郎のまち」を標榜し、主要産業である水産業を重要な観光資源と位置づけ、観光業と水産業の連携による、地域の魅力発信、にぎわい創出に取り組んでいます。
今回は、その代表的な事例として、県営市場施設や水産物直売施設による漁港のロケーションを活かした取組を紹介します。

鳥取県境港市

取組の概要

  • 境漁港は、高度衛生管理型市場整備を進めており、中核施設である2号上屋にはセリ見学通路やおさかな学習スペースなどを設けた「境港おさかなパーク」がオープンしています。
    また、隣接地には山陰旋網漁業協同組合が運営する「境港水産物直売センター」があり、飲食店も併設されています。
  • 漁港のロケーションを活かし、見る、学ぶ、買う、食べるといった観光客のニーズをとらえ、県、内外から多くの観光客が訪れています。

漁港ロケーションを活用した海業の推進

背景

  • 境港市は「さかなと鬼太郎のまち」を標榜し、「さかな=水産業」、「鬼太郎=観光業」が市の大きな柱となっています。
  • 水産業は市の基幹産業であるのみならず、重要な観光資源であり、日本一の水揚げのカニや日本有数の水揚げの生のクロマグロに代表される水産物、日本海側随一の水揚げ機能を有する境漁港のロケーションを観光面でも活用していくことが求められています。

取組のポイント

  • 2号上屋の2階「境港おさかなパーク」は立ち入り自由で、セリ風景の見学ができるほか、調理実習室や学習室を備え、魚のさばき方教室などの食育イベントや水産学習イベントも随時開催されています。
  • おさかなガイドによる漁港見学ツアー(有料)も通年実施しています。
  • 直売施設は漁港に隣接したロケーションを活かし、多くの観光客を誘客することで漁業者、仲買事業者等の所得向上、市の PRに寄与しています。

今後の課題

年間200万人を超える観光客が訪れる水木しげるロードなどの観光拠点を訪れる観光客、クルーズ客船や国際航空路線で来訪されるインバウンド観光客の取り込みなど、水産業と観光業のさらなる連携を図っていくことが課題となっています。

観光入込客数

水木しげるロード 水産直売施設
2024 2,016,379人 772,868人
2023 1,519,151人 687,847人
2022 1,014,754人 572,930人
2021 736,893人 307,632人
2020 965,734人 445,622人

※水産直売施設は「境港水産物直売センター」のほか1施設を含む

クルーズ客船

寄港数 外国人乗客数
2024 31回 21,497人
2023 28回 20,666人
2022 4回 0人
2021 2回 0人
2020 0回 0人