第12回
福岡市
博多湾の奥部に位置する博多漁港は、江戸時代に黒田藩が整備開港したものを受け継ぎ、明治時代に入って、民間資本による埋立造成が行われました。
その後、昭和初期に、底曳網漁業の基地として整備が進められ、製氷冷凍施設の充実により、博多漁港の基盤が整い、昭和35年に特定第3種漁港の指定を受けました。
博多漁港の特色として、鮮魚市場を中央に擁し、沖合漁業や沿岸漁業の水揚げに加え、韓国や中国からの生鮮水産物、九州各地からの陸上搬入漁獲物の中核集積基地としての役割を担っており、取扱金額は479億円で全国1位、取扱量は93千トンで全国10位(平成23年)となっています。
その鮮魚市場では、市場を身近に感じ、魚食への関心を高めてもらおうと、毎月第2土曜日を市民感謝デーとして市場の一部を開放し、普段入ることができない全長200mにも及ぶ仲卸売場棟で、生鮮水産物や冷凍・塩干加工品の販売、マグロの解体ショー、魚のさばき方実演、旬な魚の展示などを行っています。
博多漁港は、旋網漁業・沿岸漁業の水揚漁港としての産地機能と背後に200万人都市圏の大消費地を抱えた消費地機能を併せ持つ漁港でありながら、鮮魚市場でのイベントや多目的広場、遊歩道の整備を行い、市民に親しまれる漁港を目指しています。