特三の漁港から

第15回

境港市

境漁港は、「日本の渚百選」に選ばれている白砂青松の続く、弓ヶ浜半島の北端に位置し、秀峰「大山」を背景に、西日本有数の漁獲量を誇る漁業基地です。弓ヶ浜半島では江戸時代前期から伯州綿の栽培が始められ、収穫された綿は、北前船で全国に運ばれていたなど、古くから港を中心に発展してきました。

境港市全景

境港市全景

境港の漁業は、まき網・沖合いか釣・かにかご・沖合底曳網等の沖合漁業と小型底曳網・刺網・一本釣等の沿岸漁業に大別され、なかでも、まき網漁業は水揚量の大部分を占める重要な漁業種であり、アジ、サバ、イワシを中心に水揚されているほか、夏場に水揚されるクロマグロは、日本海で漁獲する全国各地の大中型まき網船団が集結する港として、日本海におけるクロマグロの集積地となっており、生鮮のクロマグロの水揚量は全国一位を誇っています。

また、ベニズワイガニの水揚げ量も日本一の漁港です。ベニズワイガニはそのままボイルや冷凍されて出荷されるほか、冷凍のカニクリームコロッケやカニちらし寿司などカニ肉を使用する食品の多くに境港のベニズワイガニが用いられています。

近年は、境港で漁獲される未利用魚の食品加工への利用や機能性食品開発、クロマグロの内臓利用等、新技術開発が産学一体となって取り組まれています。
また、平成二十一年度から始まった「みんなで選ぶ境港の水産加工大賞」は、地元の水産加工品の周知と地域発のブランド化を目的として開催され、境港の様々な水産加工品の積極的な情報発信の場となっています。

現在、境漁港では、高度衛生管理基本計画の策定が進められており、安全・安心な水産物を安定供給する体制整備が整いつつあります。