特三の漁港から

第19回

下関市

下関市は、古くから交通の要衝の地として栄え、響灘、関門海峡、周防灘の3方を海に面した地理的条件から水産都市としての歴史も古く、その市街地に位置する下関漁港は、昭和35年に特定第3種漁港としての指定を受けています。JR下関駅西口側にある「本港」は、沖合底びき網漁業の基地として、南風泊(はえどまり)「分港」は、下関特産の「ふく」を主に取り扱う特色ある市場として有名です。

しかしながら、古くは戦前に始まり昭和期の水揚最盛期に建てられた施設が多く、高度衛生管理対策も十分ではないことから、平成25年度に国が特定漁港漁場整備計画を策定し、現在、本港と南風泊分港において、高度衛生管理型荷捌き所や耐震強化岸壁等を整備する漁港機能強化事業を行っています。また、本港では、機能強化と一体化して下関漁港ビルの建替等を行う水産業振興拠点整備事業も始まり、生まれ変わった下関漁港が下関の水産業振興の拠点として充実・発展することが期待されています。

完成予想図(下関漁港本港)

完成予想図(下関漁港本港)

現在下関市では、「ふく、うに、くじら、あんこう、いか」を水産物5大ブランドとして位置付け、PRや販路拡大に取り組んでおり、平成15年10月に設立された「下関漁港沖合底びき網漁業ブランド化協議会」が「水揚げ日本一“下関漁港あんこう”」を旗印に様々なキャンペーンを展開してきました。最近は“あんこう”だけでなく沖合底びき網漁業の通称「下関おきそこ」の多種多様な魚を下関市内の飲食店で堪能することができます。
また、毎年11月23日に下関漁港にて開催される「下関さかな祭」では、ふく鍋、あんこう鍋、くじら鍋と3種類の鍋の食べ比べができることから、多くの人が鍋を味わうために長い列をつくる光景が風物詩となっています。

さらに、下関漁港を会場とした市民参加型のイベントである「下関カッターレース」は、平成27年で第4回を数えます。第1回開催から参加チーム、集客数とも年々増えて盛り上がりを見せています。平成27年は、8月30日開催、過去最大規模の75チーム出場を予定しています。

この記事をご覧いただいた全国の皆さま、ぜひ下関にお越しいただき、「ふく、うに、くじら、あんこう、いか」を中心とした新鮮な海の幸をご堪能ください!!お待ちしています。