特三の漁港から

第21回

長崎市

長崎市は、九州の西端、長崎県の南部に位置し、長崎半島から西彼杵半島の一部を占める広範な地域です。周囲は、東・西・南側で海に面し、五島灘、橘湾、大村湾が広がっており、海岸地形は複雑で、海岸線の総延長は長崎県の7.5%の312kmに及んでいます。

長崎市の漁業は、五島灘、橘湾及び大村湾を主漁場とする沿岸漁業と東シナ海・黄海を主漁場とする遠洋漁業が営まれ、四季折々の魚介類が漁獲されています。
長崎漁港は、重要港湾長崎港の最奥部に指定されている「長崎地区」と五島灘に面した西彼杵半島の付け根にあり長崎市の中心部より約15kmに位置する「三重地区」の2地区を総称した長崎県唯一の特定第3種漁港であり、長崎県水産業の核として重要な役割を担っています。
長崎地区では、昭和40年代に入り、利用漁船と陸揚げ量の増加とともに、漁船の大型化が進み、係留岸壁の水深不足、停泊地面積の不足、背後用地確保の困難性などの問題が生じたことから、昭和48年から長崎漁港の分区として指定された三重地区の施設整備に着手し、平成元年には市場機能と陸揚げ準備機能の大半が長崎地区から三重地区に移転されました。

長崎漁港は、日本有数の水産物の生産拠点であると同時に、全国有数の水産物流通拠点でもあり、水揚げされる水産物のほか、近隣の漁港からも水産物が集まっています。長崎魚市場の平成26年の取扱高は、106,704トンであり、全国主要産地市場別取扱高として全国第7位の取扱数量並びに全国第3位の取扱金額を誇る産地市場となっています。

長崎漁港(三重地区)全景写真

長崎漁港(三重地区)全景写真

平成23年から、漁港管理者及び地方卸売市場長崎魚市場の開設者である長崎県は、近年の安全で安心な水産物を求める消費者ニーズの変化に的確に対応し、海外への水産物の輸出を強化するため、高度衛生化施設整備を進めています。
ハード面の整備をすすめる一方で、長崎漁港を有する三重地区では、県内各地から多くの来場者が訪れる「伊勢海老祭り」や「長崎さかな祭り」が開催されており、獲れたての鮮魚や水産加工品の即売はもちろん、様々なアトラクションに参加していただきながら、魚食普及と消費拡大に繋げております。

また、長崎で獲れる魚のなかでも、地元漁協などの各団体が品質にこだわりぬいた「ごんあじ、野母んあじ、長崎健康ハマチ、長崎天然伊勢海老」を長崎ブランド魚として位置付け、PRや販路拡大にも取り組んでおります。

現在、長崎市役所のホームページで、長崎の魚の魅力や四季の美味しい魚の特徴など「長崎の魚」に関する情報がぎゅーっと詰まった「魚の美味しいまち長崎」公式ホームページを開設しておりますので、出張や観光などで長崎市に来られた時には、ぜひ四季の美味しい魚をご堪能ください。

魚の美味しいまち長崎

長崎の美味しい魚の情報はこちら:http://nagasaki-sakana.com